ボランティアで 最終章

中学校を卒業してして数年ぶりに悪ガキ4人が集まる機会があった。自転車パンク事件の真実はこの時に知った。

 まず、デカブツから聞いた話を実行したあの日のことが周囲にどういう影響を与えたかというと、1人は彼女をゲット。他の3人は作戦中止になり、しかしその後、各クラスで作戦の裏側を語る。それを聴いた他の生徒はさらに周囲にばら撒いた。今の言葉で言うと「拡散」したのであった。女子と付き合う為に男子はこんな作戦を立てているらしい。。当然女子にもこんなふうに伝わり、女子の間ではいつしか「自転車がパンクするということは男子に告白されるサイン」という噂が立ち込めたのである。

 噂がたっているという事を知らない男子はノコノコと意中の人の自転車の前に現れ、タイヤにプスッと穴を空ける。そして部活が終わるのをひたすら待つ。

あの日はこれが同時多発的に行われたのである・・・・・・・。

噂を知っている女子は一体何が起こったのかわからないだろうし。噂を知っている女子もおそらく複雑な心境であったであろう。パンクした事自体は良くても「誰が」パンクさせたのかが重要であったであろうし。

そんな中、A子は立ち上がったのである。周りの女子たちが困っている。同時多発的に自転車がパンクしており、明らかに人為的な状況証拠が揃っている。A子は職員室へ向かった。

A子の自転車のタイヤは無傷であったそうな。。。。。。

A子は知っていたのであろうか噂を。もししらなかったとすれば、職員室へ向かったのは純粋な正義の心である。しかしもし、もし、知っていたとすればどんな気持ちだったであろう。周囲の女子たちには「サイン」があり、自身にはそれが見当たらなかったのである。

繰り返しになるがこれは昔々のお話。世間はクリスマスがやっと定着してバレンタインでは「義理チョコ」という言葉が生まれた年である。

悪ガキ4人はことの真相を聞いて、「義理チョコじゃないけどボランティアでA子の自転車にも穴あけときゃよかったのか?」と言ったとさ。

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