ボランティアで・・。第5章

 4人は文字通り固まった。。何がどうなって今ここにいるのかわからなかった。女子の?自転車の?殆どがパンク? なんだそれは・?

 土曜日の夕方、部活終わりの生徒達が自転車で帰ろうとすると、自転車のタイヤがパンクしているという事件が同時多発的に起こったらしい。

それも何故か女子生徒のみ。被害にあった女子生徒は仕方なく自転車を押して帰ったという。

校長室でこの事件を聞いた私達は、ある意味「納得」した。身に覚えがあったからだ。ただし自転車に穴を空けてパンクさせたのは自分達ではないし、おそらく犯人は男子生徒の誰かで、被害者のことが気になっている人物であると教師達に説明した。

自転車パンク作戦を実行して見事カノジョをゲットしたヤツ以外の3人は各々のクラスの友人に単なる話のネタとして事の全貌を話す。それを聞いた友人はまた他の誰かに話し・・次第に誰から聞いたネタなのかかわからなくなり、やがて実行に移ったのである。いつぞやの私たちのように。。。。。

真相を知った教師達は、悪ガキ4人に今の時代では考えられないほどの天誅を喰らわし4人を解放した。

私には不思議に思っていることがあった。女子たちの反応である。自転車パンク事件の被害にあった女子は誰ひとりとして悪ガキ4人を責めなかったのである。パンクの修理代を払わされる事になると内心ヒヤヒヤする毎日を過ごしていたが、請求してくる女子はいなかった。

普通ならパンク事件を起こした張本人4人を吊し上げて修理に掛かった費用を取り戻したいはず。精々1000円くらいであっただろうが中学生の月のお小遣いから1000円はイタイはず。だのになぜ?。

そんな疑問も忘れかけていたある日、別件で教師に呼ばれた私は例によっていつもの説教を食らったあと教師に訊いてみた。自転車パンク事件の被害者が誰1人として名乗り出てこなかったこと。あんな事件を起こしたにも関わらず修理代も請求されていないこと。まるで何事もなかった事のように事件が風化していること。なぜかわからないと。

教師の回答は「何故かはわからない」だった。何故かはわからないがその教師にパンク事件を伝えたのは「A子」という女子生徒であるということだった。土曜日の夕方にA子はとつぜん職員室に現れ教師達に事件を報告したのだという。

A子は勇敢で、身体も大きくて、相手が男子でも平気で立ち向かっていくような「強い女子」という印象の生徒。

謎は深まるばかりだった。

 

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